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「人形作家・田村晴海さん写真撮影」

晴海の海岸風景
晴海の海岸風景

「人形作家・田村晴海さん写真撮影」

 

 

今日は絵画作品作りのための、ポートレート写真撮影の仕事だった。

撮った写真は絵画の一部に素材として用いる。

私は絵画の中にオリジナル写真をコラージュさせる手法で、もうかれこれ20年作品を作っている。

なので、私は20歳から画家としてだけでなく、写真家としてもおよそ20年程続けている形だ。

モデルは仲良しの人形作家・田村晴海さんに依頼し、彼女の名前にちなんで晴海で撮影した。

持ち歩くカメラは、いつも通りに「NIKON D40」と「HOLGA」である。

 

田村さんは、いつも彼女自身の手作りの藍染着物を着ていて、とても絵になるモデルさんだとかねてから思っていた。

そこで先日モデルお願いしたら了諾して頂き、海辺を背景に着物姿を撮ろうと目論んだわけである。

海に着物は面白いじゃないか、と。

 

そして晴海に着くとそこは、タワーマンションの林立するハイセンスな都会の海辺風景だった。

思ってたのと違うなあ、と感じながら撮影に入った。

結果、海に着物に「高級住宅街」と言った、狙っていない面白い写真になっただろう。

 

ポートレート写真と言っても私はモデルさんによっては、ポーズをとってもらわない。

構えて撮ると強張ってしまう方は、私と会話をしながら自然に歩く姿のそのまんまを撮ることが多い。

モデルさんには、知らないうちにシャッターを切ってるから気にしないで、と言っておく。

そして私もカメラを構えず自然体でパシャパシャといつの間にやら、フィルム一本撮り終えていると言った具合である。

撮る時ファインダーなど覗かない。

ノーファインダーだ。

今までの経験則と野生の直感だけで、カメラ窓など関係なしに撮るのである。

たまたま片手にはカメラがあるばかりで、シャッターを切る仕草をモデルさんには見せない。

いつもそうやって、緊張させないで撮っている。

 

そうやって30分ばかり極暑の海岸沿いを歩いて撮影し、田村さんも私も疲れてきた時に、「ベンチに腰掛けましょう!」と言った矢先、なんと右足首を大きく捻ってしまった!

引っ張っていたカートの荷物を整えようと気を抜いた矢先だった。

急遽、近くのドラッグストアに駆け込み、足首サポーターを買って装着した。

田村さんは元骨つぎ医院の医師だった経験もあり、人体の故障に慣れている。

なんと粘着テープ式足首バンドを店内で的確に選び、私の足首に巻いてくれたのである。

ああ、助かった。。。なんて優しいのだろう。

 

足を捻ったのは、もう今日はこれ以上撮影するな、との神様からのお告げだと理解した。

なので、田村さんにその旨を伝え、午後3時頃までする予定だった撮影を昼12時で切り上げたのである。

そして晴海トリトンスクエア内の魚河岸海鮮系の大衆食堂「源ちゃん」でランチをして、今日の撮影の仕事を終えたのだった。

田村さんは「海鮮丼・唐揚げセット 1040円」、私は「マグロのカマ焼き・唐揚げセット定食 1040円」という、破格の値段のすごいボリュームの定食をそれぞれに食べ、帰り際にも川沿いで写真を数枚撮って、それぞれの帰途についたのだった。