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「究極の遊び」

作品「CROSS」

『CROSS』(八つ切り (38×27cm)/ アクリル絵具、ラッカースプレー、画用紙)
『CROSS』(八つ切り (38×27cm)/ アクリル絵具、ラッカースプレー、画用紙)

作家近影

Yutaka Michael Maria KAMEGAYA
Yutaka Michael Maria KAMEGAYA

「究極の遊び」

 

 

悲しみに浸ると、「良くないこと」ばかり起きるのはなんでだろう。

それはハッピーな時と同じことが起きても、悲しい気持ちで見てしまうからである。

悲しい気持ちで物事を見ているために、それが「良くないこと」に見えてしまうのだ。

 

それと同様に、楽しい気持ちの時には、人の悲しみが分かりにくくなる。

喜び舞い踊る気持ちの時に他者が苦悩しても、その悲しさはリアルに自分に伝わらない。

人が死んだって無関係だし、自分が楽しきゃそれでいいのだ。

そういう気持ちになるだろう。

 

人間の感情の喜怒哀楽によって、同じ現象もさまざまに見えてしまう。

それがこの世界の多様性を作り上げているのである。

ただでさえ、人と人は全てが違う。

そこに一人ずつの人間に、同じはずである世界が、それぞれに違うように目に映っているのである。

 

このように、人間は多様性の生き物だ。

じゃあ、どうする。。。?

 

そうだ、アートをしよう!

自分がリアルに感じるその世界を、モノを作って映し出すのだ。

 

どういうふうに作るかは、自分次第。

それがあなただけの個性だからだ。

それぞれの手を通して作られたそれぞれのモノたちを、見せ合い、感じ合い、言葉を交わし合う。

ああ、「究極の遊び」だ。

そんな高次元で人間の真実に迫る遊びは、きっと他にはないだろう。

アートはやっぱり素晴らしいな。

 

このようにアートは、多様性の時代における「究極の遊び」になるのである。

芸術家は、それに命を賭けて仕事にしているプロフェッショナルなのだ。