亀ケ谷夫妻、大手町ビル景を歩く
夕暮れの東京駅
押上ソラマチのラッコキャラ
ESSAY
「鳩に好かれた人生」
鳩は好きですか?
私は鳩が大好きなんです。
「はとぽっぽやろう」なんですよ、私。
まず、鳩のその存在が好きです。
どこにでもいて、おそらく地球上の人間が住む世界の全世界に人と共に住んでいて、さりげなく集団でいる鳥。
旧約聖書にも新約聖書にも出てきます。
ってことは、2000年以上前から人と共に生きていたのですね、鳩って鳥は。
旧約聖書では神様への捧げ物の一つとして記述されていますし、新約聖書では天の父(神様)の憑依した鳥としてキリストたちの元に現れます。
まあ、こういう普通にどこでも見る当たり前すぎた鳥なんですが、私は鳩が可愛くて仕方ないです。
あのよちよちした歩き方の可愛さや、首を振らずには歩けない仕組み、よく見ると楕円形の箱みたいな胴体の形などなど、私の面白さの琴線にカチッと合う全ての要素を兼ね備えているんですよ。
あんなにトボトボと頼りなく歩いていたかと思えば、急に遠くに食べ物を見つけた時の、足と首をポッポコポッポコ激しく動かした猛ダッシュは、「そんなに走れるんだ!」と笑っちゃいますよね!
で、集団から外れた一羽がいきなり飛んだかと思えば、一斉に周りがそれをわかって、集団で遥か彼方の空へみんなで飛んでいくあの凄さ。
一時期ラグビーの標語で流行った「ワン フォー オール&オール フォー ワン」の魂を感じます。
あれは、人間には使えない鳩だけのテレパシーみたいな意思疎通手段があるのだと感じています。
まあ、ここまで鳩好きを述べてきましたが、実は鳩たちが私のことを大好きなんです!!!
私が家を出る時は、大体決まって地元駅で屯(たむろ)して待っているんですよ。
私が家のドアを開けて出掛けたことを、私の家の近くに居た鳩が見つけてしまい、それを仲間たちに知らせて駅に集めているようなのです。
駅前の広場に私が近づいていくと、二羽か三羽の鳩がこちらにトコトコ走って出迎えてくれます。
それでそのまま駅まで近づくと、集団で鳩たちがウヨウヨと待っているのです。
まあこれは、鳩が新約聖書で記述されているように、本当に「神様の鳥」だから私を判ってしまうのでしょうね。
私の人生を振り返れば、いつも鳩たちが私の傍(そば)に本当に居ました。
「好き」だという強い気持ちは、生物の種を超えてまで通じ合いますし、鳩のように野生の生き物たちでも人間に対してそれがあるのです。
「好き」っていう力の凄まじさを、鳩たちとの付き合いからヒシヒシと感じますよ。
私は鳩たちに、「好きになること」の大切さを、いつも日常の中で教えてもらっています。
【俳句】
・鳩まめを 撒いて群がる 秋の鳥
・秋鳩や くれよくれよと ねだる首
・落ち葉道 ちょこっと傾げた 顔の鳩
・鳩追いて 幼児の走る 銀杏道
・極暑越え 逞しきかな 弱き鳩