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「貴重なお客様」

「6月早朝の芸術村」
「6月早朝の芸術村」

「貴重なお客様」

 

 

今日は貴重なお客様を迎え大変充実した日となった。

こちらのスタッフが3人揃い、村の方も2人助っ人をしてくれて、大切なお客様のおもてなしができた。

 

今日はオーナーも、共同経営者の愛琥さんも芸術村に来るのに、東京府中付近の高速事故渋滞で足止めをくらって遅れてしまったが、2人とも無事安全に到着した。

愛琥さんにカレーを作り食べてもらい、自分もおかかたまごご飯を昼食に頬張ると、食べたと同時にもう仕込みに入った。

ジビエ鹿肉の下味付け、肉野菜串刺しの下調理、ピラフ作りをみんな自分の受け持ちを分担して進めていき、下準備終盤の頃にお客様が着いた。

 

そのお客様とは東京で活躍中の美術評論家・宮田哲也さんとその御一行である。

彼と私でこの芸術村で企画を立て、この先、美術講義や人生哲学講義などを芸術村の宿泊客相手に講じようというわけである。

そのために彼をご招待し、親睦会を行ったわけである。

 

村の助っ人夫妻2人は、バーベキューで炭で火を起こす仕方を指導してくれる傍ら、彼らは天然の岩魚を専用の特大囲炉裏型魚焼き器で串刺しにして焼いてくれた。

今日の午前中に村の方々が4人がかりで、この魚焼き器を軽トラックで運んでくれた。

魚焼き器は、大きさも重さもとんでもなく大きなもので、それはなんと、助っ人夫妻のY旦那が手作りしたのだという。

 

今日のメニューは、北海道しべちゃの羊肉の焼き肉、ジビエ鹿肉の焼き肉、鳥もも肉と豚肩ブロック肉と野菜の串刺しにピラフとホットケーキであった。

それに加えて、オーナーが自ら野菜てんぷらをたくさん揚げてくれて、美味しい美味しい夕飯となったのである。

しかしピラフとホットケーキはもうお腹いっぱいで入らず、明日の朝ごはんにピラフおにぎりを作って提供することとなった。

 

私も火の始末をきちんとしてから、宮田さんたちの輪に加わり、楽しいひとときを共に過ごした。

企画を一緒に行おうという大切な話もして、2人で決意も固めた。

宮田さんには、

「亀ヶ谷さんがやるならどこまでも付いていきますよ!」

と、嬉しい一言を戴いた。

残念ながら今宵の夜空は曇っていて星が見えなかったが、明日また夜明け前に見たら晴れているかもしれない。

うん、夜明け前の空は一番暗い。

華々しくお日様と共に登る前の一番暗い夜空を、我々に重ね合わせて、私は大きな決意も固めた。

芸術家を日本で育て、芸術家が社会的にも経済的にも自立できるようにする。

そのためにはどこまでも行ってやろう。

 

こうして今日は宮田さんこご御一行を接客させて頂いたことで、調理や火おこしなどたくさん勉強となり、我々スタッフにも特別な記念日となった。