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「紅葉ポートレートを撮る」


「紅葉ポートレートを撮る」

 

 

紅葉を背景にポートレート写真を撮りたくて、モデルさんを連れて昭和記念公園に撮影に行った。

午前中雨が降っていてお天候が危ぶまれたが、午後2時頃にはすっかり晴れ渡った。

またしても天気は我に味方した。

 

実は、今日はモデルさんが着物を着て横浜三溪園へ行き、紅葉を背景に着物姿を撮りに行く予定だった。

しかし数日前から今日は70%雨の予報だったので、急遽、着物も三溪園もやめたのだ。

今思えば変える必要もなく惜しいことをしたと思う。

 

だが2時頃すっかり晴れた頃には、三溪園で撮るはずだったこともすっかり忘れて、昭和記念公園入口のイチョウ並木の真っ黄色な光景に心底魅入っていた。

大噴水に続く道の一面に落ちたイチョウが、真っ黄色で鮮やかな絨毯になっている。

それだけで大興奮だ。

着物でない代わりにモデルさんは、ピンクのフリフリの長袖シャツに黄色いスカートという素晴らしくおしゃれな出立で撮影に来てくれた。

紅葉の色に合うよう考えてきてくれたとのこと。

そして私は、同じイチョウ並木の風景でも様々に捉えるための良い角度を探して、すかさずモデルさんを入れてiPADminiで連写、連写、連写。

次から次へと、背景を変え、ポーズを変え撮っていく。

あっという間に1000枚近く撮り、集中しすぎて汗だくになってしまったので丸テーブルと椅子でひと休憩した。

その間にモデルさんはトイレで衣装替えした。

 

そして一呼吸ついた後また撮り始める。

今度はモデルさんが遊んでる様子をとり始めた。

今度はバトミントンラケットを素振りする格好や、大木の紅葉樹の前でスキップしてルンルンの様子、落ち葉を両手の平で掬い上げては頭上にそのまま投げ放ち、自分めがけてチラつき落ちてゆく様子を撮ったりした。

 

ああ、軽く撮るつもりだったが、なんだかんだで本気スイッチが入り、今日も2000枚は撮ってしまったなあ。

撮影が終わりモデルさんと別れると、実はそのまま立川の親友の家に泊まった。

もともとその親友に家に泊まってほしいと、しばらく前から言われていたのである。

その親友は立川の大駐車場付きコンクリート二階建ての豪邸に住む地元の有名人だ。

そして、彼と会うと家に招かれて、一度外の大衆居酒屋に抜けて一杯やり、夜はぐっすりと眠ったのである。