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「分からないものを分かろうとする心」

作品「CROSS」

『CROSS』【八つ切り (38×27cm)/ アクリル絵具、ラッカースプレー、画用紙)  】
『CROSS』【八つ切り (38×27cm)/ アクリル絵具、ラッカースプレー、画用紙) 】

作家近影

Yutaka Michael Maria KAMEGAYA
Yutaka Michael Maria KAMEGAYA

「分からないものを分かろうとする心」

 

 

「わけがわかんねえ!」

そう叫びたくなるものこそ愛してげよう。

自分の理解を超えたもの。

全くもって自分じゃ分からない。

そういうものこそ貴重なのだ。

 

理解不能なものを、分かろう、分かろう、とにじり寄っていく。

そういう態度が、「愛する」ことの基本性質なのである。

 

かの芸術家・岡本太郎は「なんだこれは!?」が口癖であった。

彼も彼なりに分からないものを、分かろうと努力し続けたのだろう。

そのうち、その「なんだこれは!?」という分からないものを自分の味方につけて吸収し、他者に体感できるまでに自分の表現にして作品制作を極めた。

彼の「二極対立思想」や「縄文文化への造詣」、「沖縄文化の再考」などはその代表する概念だったろう。

彼はもともとそんなこと、分かっちゃいなかった。

それを分かろうとして、自分の一部にまで磨き上げたのである。

彼はそういう意味で、偉大な人間的芸術家だったのである。

 

分かるものを分かったって普通じゃないか。

分からないものをわかろうとする心が何よりも大事なのである。