絵画作品『CROSS』
「文化で食えるのか?」
歌手の桑田佳祐さんが、貧乏ブルースという歌で、
「アートが理屈を超えない世界 文化じゃ食えない貧乏ブルース」
だと、熱唱しています。
果たして、「実際の文化の世界」は食えないのでしょうか?
きっと、歌の世界はそうなのでしょう。
売れるまでも生活は大変だろうし、売れても様々な理由で金銭を維持するのが大変なのかもしれません。
私は、私の知っている交友範囲での知識しかありませんが、知っていることをお伝えしようと思います。
私には、日本舞踊の師範が仕事の上司にいますが、「踊りの世界」は金銭が出ていくばかりだそうです。
着物を着させてもらい化粧を施してもらう仕事が分業されていて、眉毛ひとつ書くにも、数万円取られる世界だそうで、舞台で1人の人間を踊るよう装飾して仕立てるのに100万円程はかかるのだそうです。
それに対する収入は無いか、雀の涙ほどで、富裕層の経済的に恵まれた女性しかその世界には入っていけないようです。
また、「書籍の世界」の話になりますと、小説家の村上龍さんが書籍の中で語っていましたが、小説のヒット作を10冊書いて、サラリーマンの初任給くらいの額の印税が毎月入るようになるそうです。
なるほど、それだと10冊売れるまでは極貧生活ですね。
小説を書きながら、バイトでもしなきゃ生活は成り立ちません。
小説家の多くの方々は肉体労働をしているそうで、くたくたに疲れて原稿に向かい合うのは酷なことでしょうね。
さて、「美術の世界」ですが、収入は人ぞれぞれです。
お小遣いくらいの人もいれば、小金持ちもいて、億万長者もいます。
お小遣いとは、年間30万円いかない額のことです。
ただ億万長者は一握り(世界に数人)で、ほとんどはお小遣いのお金さえ稼げず、副業の仕事を掛け持ちしているのが実情です。
副業と言っても、社会的には本業と見られる高位の職の方も多いです。
例えば、医者や弁護士、政治家もいますし、私もそうですが事業経営者なども美術家にはいます。
彼らは芸術家として売れなくても社会的な本業で食べていけるので、アートライフには何の心配もありません。
まあ、これが収入の実際といったところでしょう。
文化のどの世界でも、食えるのは数%の人間です。
残りの99%はその世界の収入だけでは食えません。
これが日本文化の実態であろうと、私は考えています。
私はこれをなんとかするために、この世に生を受けた。
なんとか、日本人の文化を志す人間たちが、文化で食えるように、私の会社を通して社会に働きかけたい。、
そして「アートが理屈を超える」世界にして、日本人の文化に対する志向性を変えたい。
そう思って、私は「アートを万人の生活の一部にする使命」に、日々頑張っている次第です。